筑波工場の製造部には、鎖を作る部署、パーツを作る部署、ピアスなどの完成品を作る部署など、計５つの部署があり、それらすべての部署を管理するのが私の仕事です。たとえば、生産管理の部分では納期の流れや全体のバランス、工賃などの管理を行っています。筑波工場は貴金属がメインなのに対し、北上工場のメインは貴金属以外。ただ、近年は北上工場の方でも貴金属を扱うようになり、筑波工場と仕事をシェアする機会も増えてきました。そういった時に段取りを組んだり、状況を見て判断するのも私の役割です。現場が円滑にまわるよう、社外との連携を取ったり、時には不測のトラブルを処理したり。もちろん上に立つ人間として、メンバーがストレスなく働けるようにフォローしたりすることもあるので、とにかく仕事は多岐にわたります。

やはり品質を評価していただけることがうれしいですね。価格だけでいったら、安いところはいくらでもあるので。質で勝負できる点は、海外でも認められている理由の一つだと思います。弊社の生産工程は、もちろん機械も取り入れていますが、意外と人の手が入る作業が多い。品質を担保する上で、機械を動かすにしても感覚に頼る職人的な部分は残っているので、そこは私たち技術職の人間の腕にかかっていると自負しています。アクセサリーは生活に必要なものではない。でも、生きていく上では必要な時があると思います。自分へのご褒美だったり、誰かに贈るものだったり。心を込めて何かを贈る。そういうものは、人生の中で時に大切なものだと思うのです。作り手として、「それに応えられるようなものを」という覚悟と誇りは、常に持ち合わせています。

他の企業の選考も進んでいましたが、大学のゼミの先生の推薦もあり、中川装身具工業を受けました。その中で一番最初に内定をもらえたのが、この会社だったんです。工学部なので、技術職に就きたいという思いはありました。特にアクセサリーに興味があったというわけではなくて、とにかくものを作る仕事がしたくて。正直、業種は何でも良いと思っていました。中川装身具工業は、各々が自分の枠にとどまることなく、常に創意工夫をする文化があって、そこが強みだと思います。実際に私も、技術的なところで前例の無いものを考えたりする機会があり、それが実際に商品となって売れる時はとてもやりがいを感じます。言われたことをそのままやるのではなくて、自ら率先して何かをやり遂げたい方には、とても良い環境ではないかと思います。

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