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手造り鎖(Hand Made Chains)

「手造り」の鎖には全く種類の制約はなく、殆ど無限の可能性があります。 厳密にいえば手造りとは全く1から10まで手で造られたものでなければなりませんが、実際には半分位、機械の助けをかりるものもあれば、機械製の鎖を加工する場合もあり、厳密に区別は出来ません。ただし、一応リンクを繋ぐまで機械で自動的に行なうものを機械製とし、例え型などで成型地(プレス)してもはじめから手でひとつずつ、繋いでゆくものを一般に手造りと称しています。 多くの鎖がいまでも手で作られていますが、特に日本に固有なものに「小々波」や「子持ち」等という鎖があります。しかし「小々波」にしても部品としての棒の部分や鎖は今では別々に機械で造られています。

機械鎖(Machine-made Chains)

"型(寸法、形)加工等による種類は10,000種類を超えるでしょうが、鎖の構造とそれに対応する機械の種類によって分類すると、大体30種類前後になると思います。鎖は一定の部品(鎖カン、コマ、リンク)を連続的に繋いだものですが、その繋ぎ方は大きく分けると
(1)線カンを繋いだもの
(2)線カンを板や棒状のリンクで繋いだもの
(3)カシメによるもの
(4)ピンによって繋いだもの
の4つになります。 (1)および(2)は同じものの変型といってもよいでしょう。

ここでは機械製装飾鎖の基本的な30パターンを紹介します。

小判鎖

小判鎖は、その寸法、比率を変えるほかにリンクの形、線型断面の変化(異形線)、模様付きや後加工によってさまざまな種類を生みます。品質の良い鎖はリンクの形が正しく成形され均一であること、接合部がきちんと閉じていること、加工傷のないもの、各リンクが正しく直角をなして連結し、ねじれがないこと等です。

小判鎖

キヘイ鎖

小判鎖の変形の一種とも言えますが、小判と同じく最も古くからある鎖の一つで鎖の二大主流をなすものです。騎兵が語源だという説もありますが、現在では”喜平”と書きます。キヘイは小判ほど多様な変化はしにくいですが(ねじるため)、ねじり方によって独特な味のある鎖がたくさんあります。甲高ではなく(甲高とは幅にくらべて必要以上にねじり、肩をいからせたような形の悪いものをいう)ゆるやかな曲線を描いてコマのガタがなく、接合部が正しく閉じねじれのないものが良い製品です。

キヘイ鎖

ダブルケーブルチェーン

小判鎖の変形の一種で、2本の小判鎖が互いに相手の2カンをはさんで組み合わされたようになっており、一個のカンには合計4本の線が通っています。ダブルケーブルの変化は小判に準じますが、コマの形は楕円、菱形の二種類で標準形に近いものが多く、異型線、模様線も多く使われます。

ダブルケーブルチェーン

トリプルケーブルチェーン

3本の小判鎖が連結している所から、三重あみ(Triple Link)の名があり、1個の環に6本の線が通っています。普通は目をつめるために、甲丸線で作ります。 丸いカンの形が正しく成形され、接合部が閉じていて、加工傷の小さいことが大切です。

トリプルケーブルチェーン

ロープ/縄コード/フレンチロープチェーン

縄、またはロープ、コード、フレンチロープと呼ばれる鎖には数種あり、一見縄のように見える鎖を総称していいますが、厳密にはダブルやトリプルに編んだ「丸カン鎖の非常に目のつんだもの」をいいます。丸カンの切り口を欠いて目をつめたものを通常フレンチロープと呼んでいますが(ロウ付していないので弱い)手造りで切り口に一定の隙間を設けた丸カンの2個を抱合せてロウ付けし、これを二重、三重に編んで非常にどっしりした感じの鎖にしたものが昔から本当のフレンチロープといわれています。

ロープ/縄コード/フレンチロープチェーン

ダブルカーブチェーン

ダブルケーブルのキヘイ版で、ダブルケーブルのロウ付けしたものをねじってもできます。

ダブルカーブチェーン

フィガロ/ロングアンドショートチェーン

キヘイと小判の二種類あり、長短2種類のコマを交互に連結したもので、1:1や1:3、1:5などなど、無限の組合せができますが、1:1と1:3が最も多いです。短いコマと長いコマの線径や断面を変えることもできます。

フィガロ/ロングアンドショートチェーン

フィガロ/ロングアンドショートチェーン

三角鎖

Curb Chain(小判鎖)といいますが、むしろCable Cain(キヘイ鎖)の変形で、三角形に成形したリンクの一端を斜め下に折り曲げて次のカンを通します。ロウ付けしたものや変形したものはありません。良い鎖は目がつんでいて形が正しく三角形を直角に折り曲げた形をしています。

三角鎖

ライオンチェーン

キヘイの変り型で、リンクの両端が突き合せ閉じにならず、互いに反対側に2分の1周づつ突き出てリンクを取り巻いており、あたかもライオンのたてがみのように見えるのでこの名があります。

ライオンチェーン

8の字/ダブル8の字鎖

丸カンの一方の端を丸めて、2個の丸カンが互いに直角になるようにしたリンクをもつ鎖を8の字といい、主としてロザリーの部品に用います。また、やや大き目の丸カンの両端を引き伸ばして、下の丸カンと直角になるように二重の丸カンを構成したものをダブル8の字といいます。これらの鎖を米国ではJack やHookと呼んでいます。良い8の字鎖は線の端がキチンと納まっていて、上下のカンが正しく直角をなしているだけでなく、左右の均整がとれています。

8の字/ダブル8の字鎖

ツインケーブルチェーン

小判鎖のカンを2個平行に並べて連結したもので、並んだ2個のリンクの模様を違うものにすることもできます。

ツインケーブルチェーン

ツインカーブチェーン

ツインケーブルのキヘイ版ですが、ツインケーブルの場合は平行に並んだ2個のカンは互いに連結していませんが、キヘイの場合はカン同士が互いに組み合って連結しています。

ツインカーブチェーン

エスカーブチェーンまたは渦巻鎖

左右それぞれ一回転半した長円カンを組合せ連結したものです。断面は「平」と「丸」の二種類ありますが、図は「平」を示しました。変形はあまりきかず、加工も面取りか模様をつけるくらいです。目がつんでいて型崩れがなく隙間の少ないものを良い鎖とします。

エスカーブチェーンまたは渦巻鎖

バリコンチェーン

Barley Corn(からす麦の実)のような形をしているのでこの名称があります。主として平角、角丸(カドマル)線を用いますが、丸線を使う場合もあり、構造上すっぽぬけないようにしっかりロウ付されていてロウ汚れの少ないことが大切です。

バリコンチェーン

ボストン/ネイビーチェーン

元来、四角線を用いた隙間の少ない目のつんだ小判鎖をこう呼んだらしいですが、現在は平角線を打抜いて連結したものをいいます。 非常に重厚な感じの高級鎖で、それだけに各面が正しく平滑であり、手触りよく柔軟でねじれのないものが良い鎖です。

ボストン/ネイビーチェーン

ベネシアンチェーン

別名箱鎖(BOX Chain)とも言います。良い鎖はコマが横に転んだり、片がりがなくよじれていません。

ベネシアンチェーン

フォックステールチェーン

最も古くからある鎖の一つで元来ロウ付けしたカンを曲げて造ったものらしいですが、今では平角、角丸線を打抜いています。 あたかも狐の尾のようにみえるのでこの名がつきました。シングルとダブル編みとがあり、その他の変わり編みも可能です。良い鎖は目がつんでいて柔軟で肌が綺麗です。

フォックステールチェーン

メッシュチェーン

メッシュ(網)と呼ばれる鎖は数種ありますが、その内最も代表的なもので一番多く作られているものを単にメッシュ、またはメッシュチェーンと言います。シングル編みとダブル編みの平板帯状のものと、円筒袋状のものがあります。

メッシュチェーン

ストッキングメッシュチェーン

線材を靴下編みにして、袋状になったものを裁断した鎖です。

ストッキングメッシュチェーン

バーチェーン

バー、すなわち棒状のつなぎ部品をカンで繋いだものをいい(板でも可)、その形状や組み合わせによってほとんど無限の種類を生みます。手造りの小々波等もバーチェーンの一種です。

バーチェーン

バックル、ブレスレット/ベルトチェーン

総称板鎖といいます。構造的にはバーチェーンと全く同じですが、バーの代わりに平らな板抜き、板状部品を主に幅広の平角模様線、または甲丸線をつないだ点が異なります。

バックル、ブレスレット/ベルトチェーン

リングチェーン

大きな丸カンとの組み合わせの面白さを楽しめる鎖です。

リングチェーン

ボールチェーン/パイプチェーン

かしめ構造によって連結する鎖の代表的なものの一つです。形の正しいこと、ガタガタしていないこと、絞り傷の少ないことが良い鎖の特徴です。

ボールチェーン/パイプチェーン

スペシャルチェーン

単純な構造なのでほとんど加工はありませんが、リンクの形をあらかじめ板型で変えることによりいろいろな種類ができます。

スペシャルチェーン

スネークチェーン

かしめ構造による鎖の一方の雄で、外観がスネーク(蛇)の胴を連想させるのでこの名が付いています。 丸の他、四角、楕円、長角、六角、三角などの形状があります。良い鎖は目がつんでいて手触りがよく、しなやかです。

スネークチェーン

かごめ鎖

スネークチェーンと同系統の鎖ですが、ジャケットリンクのデザインによっていろいろな鎖ができます。

かごめ鎖

爪鎖

Rhine Stone(ガラスのイミテーションダイヤ、いわゆる新ダイヤ)をはめるもののために作られた鎖で、爪をつないだ鎖です。

爪鎖

ボックスチェーン

爪鎖の爪が箱になったもので、両端面にあるスリット(細長い隙間)を通してつなぎが連結しています。

ボックスチェーン

レースチェーン

ボックスチェーンの一種で、細長い短冊上の箱型部品を1個から数個のつなぎでつないだもので、ドレッシーなネックレス等に用いられる。

レースチェーン

スキャロップドメッシュ

打抜きカンで連結した、広巾の金属の布のようにした鎖で、主に特殊なハンドバック等を作るのに用います。

スキャロップドメッシュ

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