素材としての長尺の鎖は自動機械で鎖に編まれた後、さらにいろいろの加工が施されます。その目的は主として強度を増す、模様をつける、変化させて別の鎖を作るなどです。
以下で代表的な鎖の加工をご紹介します。
ロウ付けというのは溶接の一種で、主として小判、キヘイなどの線環をつないだものの内一般に細くてそのままでは弱くて使用に耐えないものや、バリコンのようなロウ付けを前提とした構造の鎖に行ないます、ただし、最近はいろいろな後加工をする為、弱くてはそのような変形を伴う加工ができないので、殆どロウ付けされています。
また、きちんとロウ付けされた鎖は、やはり高級品というイメージもあって、欧米では一流メーカーはロウ付けしか使わない所も多くなりました。その他、鎖を平行に並べてロウ付けして広巾のものを作るか、鎖に他の物をロウ付するとかの目的で行なうこともあります。 最近ではレーザ溶接、プラズマ溶接技術によりロウ付けを行なわず、直接材料溶接する技術も広まっています。
鎖の中心線に沿ってその面を切断することで、模様付、変形(ある程度)が出来ます。 多く行なわれるのはキヘイ鎖の平面取りですが、その他に角、丸、異形面取りがあります。
面取りと同じ形状にダイヤモンドの刃によってカッティングします。仕上げの目的を兼ねて行い、カッティングされた面は鏡のように輝くので、別名鏡面加工とも呼ばれます。
小判、ボストン、8の字のようにリングが十字に交差する鎖は、中心線を除いて、コマの両側面を潰して平たい面やギザギザ模様をつけることが出来ます。
やや粗い小判、キヘイ及びSカーブ、フィガロの長いコマ、バーの棒の部分などは、一コマごとに模様をつけたり、変型せしめると機械編みだけではできない面白い味の鎖になります。
型を用いて鎖全体をほとんど隙間がなくなる程、強くプレスして変型させることで、どっしりした重厚な感じの鎖になります。これに他のさまざまなな加工方法(ダイヤカット等)を組み合わせることによって、鎖の種類、品質が飛躍的に増大されます。
色々の鎖をねじることによってまったく別の鎖になります。ロウ付けした小判鎖はキヘイになり、ダブルケーブルはダブルカーブに変わります。